

戒名(法名) 【かいみょう(ほうみょう)】
仏式の葬儀を行う場合、故人にはその人にふさわしい戒名(浄土真宗では法名といいます)がつけられます。住職に葬儀の勤行をお願いする際、戒名のお願いもいたします。 また院号などを付ける場合にはあらかじめ、それをお願いしなくてはなりません。戒名は宗派によってその構成が異なっていますので、故人の宗派を間違えないようにしなければなりません。故人の宗派がわからない時や菩提寺が離れている場合には俗名のままで葬儀を行ない、改めて墓や遺骨を管理する寺院にお願いすることもあります。
火葬 【かそう】
死体を焼き、残った骨を葬ること。
通常、死亡届とひきかえに役所より交付される火葬許可書が必要となります。
通常、死亡届とひきかえに役所より交付される火葬許可書が必要となります。
神棚封じ 【かみだなふうじ】
家族の誰かが死亡した場合、死の忌みを嫌う神棚には、白の紙を貼って封印することを「神棚封じ」といいます。古くは、家の者はけがれているため神棚封じは第三者がするものとされてきましたが、最近では家の者が行なうようになりました。この白の紙は忌明けまで貼っておき、忌明けとともに取り除きます。この間、神棚は閉ざされていますので普段のお祭りは中断します。
北枕と枕飾り 【きたまくらとまくらかざり】
病院から自宅に遺体をお運びしたら、布団に寝かせます。敷ぶとんは一枚、その上にシーツをかけ、掛けぶとんは一枚にします。安置する場所は仏間あるいは座敷で、故人の頭を北に向けて安置します。この時、故人の身体にドライアイスを目立たないように使用します。顔には白布をかけ、両手を胸の当たりで合掌させ、手には数珠をもたせます。事情によって北枕に出来ないときには、西枕にします。
危篤 【きとく】
生命が危険なこと。
経帷子 【きょうかたびら】
仏式で死者を葬るとき、死者に着せる白い着物。
献花 【けんか】
キリスト教式による通夜や葬儀では献花が行われます。このしきたりは本来、キリスト教の儀礼にはありませんでしたが、いわば仏式の焼香に代わるものとして祭壇の前に1人1人が花をささげるという行為が生まれました。献花によく用いられる花は菊やカーネーションです。
香典 【こうでん】
香典は葬儀に出席する際、香典袋に入れて通夜、あるいは葬儀の時に持参します。香典金額については、身上の者に相談したり、あるいは最新のデータなどを取り寄せて参考にするケースが多いようです。
香典返し 【こうでんがえし】
香典のお返しは49日の忌明け法要のあとに、忌明けの報告とお礼をかねて行います。現在では当日にお返しすることも多くなりました。その際には香典額の2分の1から3分の1くらいの品物を礼状を添えてお返しするのが一般的です。
香典返しの商品は、シーツ、バスタオル、ハンカチ、緑茶、石鹸、椎茸、コーヒーセット、砂糖など、どこの家でも使う日用品が主に使われています。
弔事用ののし紙に「志」と表書きし、その下に喪主の姓名を書きます。なお、香典返しを受けた場合には、それに対する礼状は出さないことになっています。
心づけ 【こころづけ】
使用人や給仕なのに謝意を示して、お金などを与えること。葬儀業界では、火葬場や霊柩車などにおいて、そのような習慣が残る。

逆さごと 【さかさごと】
葬儀に関係するものごとでは、通常の逆に行なう「逆さごと」というものが行なわれています。
例えば死者の衣装(帷子)を左前に着せる。枕元に屏風をひっくり返して立てる「逆さ屏風」。
水にお湯を注いでぬるくする「逆さ水」。死者の布団を天地逆さにする「逆さ布団」といった作法が残されています。
散骨 【さんこつ】
遺骨を粉状にして海や山、河にまく儀礼。
死装束 【しにしょうぞく】
死者に着せる衣装ことで、納棺に先だって、故人に白いさらしの経帷子(死装束)を着せます。経帷子は手甲や脚絆、そして白の頭陀袋から組み合わされています。
これを着せるにあたって、遺族の手で行なうことが大切です。経帷子は左前に合わせ、手足には手甲、脚絆をつけます。足袋をはかせるときには、こはぜをとり、わらじを履かせます。頭には白の三角布をつけ、手に数珠を持たせ、首から六文銭の入った頭陀袋をかけます。
経帷子は本来巡礼の装束で死後は西方浄土に向けて巡礼に出発するという発想があります。
宗旨 【しゅうし】
宗教の流派・分派のこと。
数珠 【じゅず】
数珠は葬儀や法事などの仏事に持参するもので、一般に一連、単念珠が多く用いられています。 材質は透明な水晶や色の美しい珊瑚、渋い色の香木などがあります。 普通数珠は、持っている場合左手首にかけるか、房を下にして左手で持ちます。合掌の時には、両手の親指以外の指を輪の中に入れ、親指と人差し指で支えるようにします。自分とは違う宗派の葬儀に出席する場合にも、自分の属する宗派の数珠を持参しているようです。
生前予約 【せいぜんよやく】
自分の死後の葬儀の内容や費用などに関して生前に予約すること。近年、自分の最後は自分らしく、残された家族に迷惑をかけたくない、といった風潮から増えています。

荼毘 【だび】
葬送の一種で、火葬のことです。
玉串奉奠 【タマグシホウテン】
神事で行う「玉串奉奠」は、仏式の焼香にあたるものといってよいでしょう。玉串とは榊の小枝に紙垂(しで)をつけたものです。 玉串奉奠とは、玉串に自分の心をのせ、神にささげるという意味がこめられています。
檀家 【だんか】
その寺の信者となり、お布施などの経済的な援助を行い、葬式・法事などを行ってもらう家。
弔問 【ちょうもん】
死者の遺族を訪問して、お悔やみを述べること。
通夜 【つや】
本来は、死者を葬る前に親族・知人が集まり、故人を偲び死者のそばで一夜を明かすことを指します。このため、弔問客は喪服や香典の用意もありませんでしたが、最近は仕事の関係上、日中の葬儀より通夜だけの弔問というケースも増えています。そういった意味では、通夜が実質的な葬儀の役割を果たしているともいえます。
友引 【ともびき】
六曜の一つで何をしても勝負がつかない日。陰陽道で凶禍が友人に及ぶ方角と友を引くという意味合いが重なることからこの日の葬儀は避けられます。その日を休みにする火葬場も多くあります。



枕飾り 【まくらかざり】
遺体を安置した枕もとに設ける臨時の祭壇。
末期の水 【まつごのみず】
臨終に際して、死んでいく人の口にふくませる水。死に水ともいいます。
満中陰法要(四十九日法要) 【まんちゅういんほうよう(しじゅうくにちほうよう)】
臨終から忌明け法要までは、7日目ごとの法要があります。初七日(しょなのか)忌、二七日(ふたなのか)忌、三七日(みなのか)忌、四七日(よなのか)忌、五七日(いつなのか)忌、六七日(むなのか)忌、七七日(なななのか)忌の7つです。初七日は死亡日(あるいは死亡前日)から7日目に行ないますが、現在では遠隔地から出向いた近親者を考慮して、葬儀の当日、還骨法要と共に行なうことが多くなりました。なお、忌明け法要も早くなって、五七日忌(35日)に行なうことが一般的になっています。初七日などの法要の日数の数え方は、関東では死亡日当日から数えますが、関西では死亡前日から数えることが多いようです。
密葬 【みっそう】
内々でする葬儀。密葬の後に社葬や偲ぶ会といった本葬を行うケースもあります。
無宗教葬 【むしゅうきょうそう】
特定の宗教儀式を取り行わない葬儀のこと。音楽を演奏して追悼する音楽葬や文学作品を朗読する文学葬など故人や遺族の要望にそった式次第が組まれます。式次第が自由なため、綿密な打ち合わせが必要になる点と、会葬者に対して礼を失すことのないよう事前の通知をする点には注意しましょう。